【大寒】1月20日〜2月2日
冬の最後の節気である【大寒】は、寒さがピークを迎える頃。
この時期になると、風味が良く、旨みが凝縮された「寒入り味噌」が作られます。寒い時期に仕込むことで、ゆっくりと、無理なく発酵・熟成がすすみ、美味しいお味噌を作ることができると言われています。
そんな大寒は、私たち人間も、ゆっくりと無理せず過ごし、エネルギーと栄養を蓄えることが養生の基本です。
大寒に起こりやすい不調
⚫︎血の巡りが悪くなる
冷えから、血の巡りが悪くなり、肩こりや腰痛、頭痛や関節痛などに悩まされる人が多い時期です。
体を温めてほぐすために、毎日しっかりと湯船につかりましょう。
血の巡りを良くする「玫瑰花(まいかいか)の薬膳茶」もおすすめです。
また、隙間時間に、手足をブラブラと軽く振ったり、指先をグーパーさせるだけでも、血流改善にとても効果的です。
⚫︎朝起きられない
気温が低く、昼も短いため、太陽の光から得られる「陽気(エネルギー)」が不足し、疲れやすく、朝寝坊が増える時期でもあります。
でも、それでいいのです。
この時期は、「朝寝坊する」ことが良いとされ、養生とされています。気温が低くまだ暗い早朝から行動をすると、寒さによりエネルギーが消耗され、疲労感や風邪をひきやすくなったりと、免疫の低下にも繋がります。
いわば、この時期に朝寝坊をしてしまうのは、自分自身を守るための防御反応✨なのです。
また、この時期は、「無理をしないこと」も養生とされています。
とにかく、エネルギーを温存することが最優先の季節。やる気が出ない自分も、頑張れない自分も、責める必要はありません😊✨
他の季節よりも遅く起き、のんびりとゆっくりと過ごすべき季節なのです。
大寒に食べるといいもの
⚫︎たまご(寒卵)
「寒卵(かんたまご)」とは、鶏が本来卵を産む時期である春を待たずに、寒中(小寒・大寒)に産まれた卵のこと。鶏は冬前にエサをたくさん食べて栄養を蓄えるため、寒卵は他の時期の卵と比べて栄養価が高いとされています。
薬が充実していなかった時代は、病人の養生食として重宝されていました。
また、薬膳的にみても、卵にはエネルギーや血を補い疲労を回復させ、身体を元気にしてくれる働きがあり、大寒の養生食にピッタリです。さらに、心を安定させる働きも持つため、寒さにより気分が落ち込みやすい今の時期に、ぜひ食べて欲しい食材です。
⚫︎鮭(しゃけ)
一年を通して出回る鮭ですが、「秋鮭」とも呼ばれるように鮭の旬は秋から冬。
体を温めながら血の巡りを良くしてくれる鮭は、冷えにより肩こりや腰痛などを感じやすい今の時期に積極的に取り入れたい食材の一つです。
とくに寒さを感じる日は、スライスしたニンニクと一緒にホイル焼きにして食べるのもおすすめです。体を温める作用が強いニンニクと一緒にとることで、より強く体を温めてくれます。
春の訪れまでもう少し。だけれど…
大寒の次にやってくるのは立春です。一年の中で最も寒い大寒ですが、日ごとに春に近づいていく大寒は、自然界の様子からも、春の訪れまであともう少しと、希望も感じられる素敵な季節でもあるのです。
ただし、大寒はエネルギーと栄養を蓄えることが大切な時期。この時期に無理をしてしまうと、春にエネルギーを上手く発散できず、鬱々としたりとメンタル不調を引き起こしやすくなります。
せっかちなお天気日和に春を感じて、「新しいことを始めたい!」と思う日もありますが、何かをスタートさせるのは、立春を迎えてからにしましょう。